2024年企画セッション(T-10)
農業農村地域における情報利活用の未来図W
日時: 2024年9月11日(水)16:20-17:50
場所: 弘前大学 第6会場(4階401)
[T-10-1] [パワポ] [Mind Map] 農業農村地域における情報利活用の未来図W ○溝口勝* 杉野弘明** (*東京大学大学院農学生命科学研究科 **山口大学国際総合科学部)
[T-10-2] [パワポ] [Mind Map] 農業・農村におけるデジタル技術の普及予測について ○神谷英生 (農業農村整備情報総合センター)
[T-10-3] [パワポ] [Mind Map] 農業農村地域活性化ツール「農村GO」の実装方針の検討 〇大塚健太郎* 浅野珠里** 有村穂高*** 小島悠揮*** 乃田啓吾** (*岐阜大学大学院連合農学研究科 **東京大学大学院農学生命科学研究科 ***岐阜大学工学部)
[T-10-4] [パワポ] [Mind Map] 小規模スマート製麦設備による中山間地域の農閑期における生業創出の提案 ○佐藤稜 山端脩暉 (岩手大学農学部)
[T-10-5] [パワポ] [Mind Map] 圃場における低価格土壌水分センサーとLPWAを用いた水管理システムの構築 〇加藤沙耶香 伊藤良栄 坂井勝 (三重大学大学院)
[T-10-6] [パワポ] [Mind Map] アイディアソン:農業農村における情報通信環境整備を広く開くためのデジタル技術を交えた共創発 ○杉野弘明* 溝口 勝** (*山口大学国際総合科学部 **東京大学大学院農学生命科学研究科)
延長戦(当日の夕方〜:場所未定:会費3000円程度)
参加希望者は こちら(https://forms.gle/bZtPgcmsGVvSkUX58) から申し込んでください。
アイディアソン
今年度の進め方 (今年も生成AIで遊びます!)
今年のお題 各グループでChatGPTを使いながら「未来の農業農村工学会で発表される協働研究」に向けた研究計画(要旨)を作成し、部会長にメールしてください。(mizo[at]g.ecc.u-tokyo.ac.jp)
グループのメンバーがわからない場合には個人で作成した作品でも結構です。
結果発表
(グループ名・作成した要旨)
- AIが拓く農業の未来: 作物個性を学習する次世代精密農業システムの革新/AI-Powered Future of Agriculture: Revolutionizing Precision Farming Through Crop-Specific Adaptive Systems
キーワード:精密農業(Precision Agriculture),強化学習 (Reinforcement Learning),IoTセンサー(IoT Sensors),作物個別管理 (Crop-Specific Management),持続可能な農業(Sustainable Agriculture)
要旨:
本研究は、AIの強化学習技術を活用し、作物ごとの個性を学習する次世代精密農業システムの開発を目指します。従来の農業管理システムは一律の施肥・灌漑方法に依存していましたが、IoTセンサーによるリアルタイムデータ収集を通じ、各作物に最適な栽培方法を提案するAIモデルを構築します。これにより、収量向上や労働効率化、資源の無駄削減が期待され、持続可能な農業の実現に貢献します。本システムは、作物ごとの適応型管理を実現し、農業の未来を革新するものです。
(参考資料1,参考資料2)
- 日本のスマート農業の未来を拓く:ゲームとテクノロジーで若者と地域をつなぐプラットフォームの開発/Pioneering the Future of Smart Agriculture in Japan: Developing a Platform that Connects Youth and Regions through Gaming and Technology
キーワード:スマート農業 (Smart Agriculture), ゲームベース学習 (Game-Based Learning), 地域ブランド化 (Regional Branding), 若年層参入促進 (Youth Engagement in Agriculture), 作物成長シミュレーション (Crop Growth Simulation)
要旨:
日本の農業は高齢化と後継者不足が進行し、若年層の参入が急務となっている。スマート農業技術はその解決策として期待されているが、導入コストや技術的ハードルが障壁となっている。本研究では、ゲームベースのプラットフォームとスマート農業技術を融合し、若者の農業参入を促進するシステムを開発する。ゲーム要素を通じて地域ごとの適地適作をシミュレーションし、農業に対する理解を深めることを目指す。また、地域特産品のブランド化を支援し、地域経済の活性化に寄与する。研究成果として、新規農業従事者の増加と地域特産品のブランド化が期待される。
(参考資料)
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- (個人)未来の農業における持続可能性と技術革新
キーワード:
要旨:
本研究は、未来の農業における持続可能な発展を目指し、技術革新がもたらす可能性について探るものである。人工知能(AI)、ロボティクス、精密農業などの先進技術を活用することで、効率的な作物管理や資源の最適利用が可能となる。さらに、気候変動に対応する新しい農法や、都市農業、垂直農業といった革新的な生産手法が持続可能性の向上に寄与することが期待される。本発表では、これらの技術の導入がもたらす農業の未来像とその課題について議論する。
Learn Wiz Oneから集まった質問やコメント
- 【土壌肥料】を専門とし、【GIS, リモートセンシング】に長けていて、【土壌肥沃度の空間分布】に関心がある【コンサルタント】です。
- 杉野先生のご発表のスライドの情報を活用したいのではってあるサイトを教えていただきたいです。
- 作成の際の人件費や労力などはどれくらいと見積もられますでしょうか?素人でもできそうでしょうか?
- 素晴らしいシステムを自らの手で安価に作成できているのは感動しました。実際の農地での通信成功率は今後の課題だと思いますが、どのようにシステムを設計すると良いのでしょうか?
(回答)通信成功率を向上させるシステムの設計としては、通信に失敗した際に成功するまで再送信する命令を書き加えることが出来れば、解決することができると思います。
- レジンのコーティングは土中でどれくらい耐久性を維持できるのか気になりました。1年くらいは問題ないでしょうか?
(回答)レジンの耐久性は正確には分かりませんが、歯の治療に使われるものは2〜3年が寿命といわれています。センサーは1年前に作成してから今まで特に問題はありません。
- 三重大学加藤さんへ: 数ヶ月でプロジェクトがかなり進まれたのは素晴らしいことだと思います!
(回答)ありがとうございます。
- 最後の曼荼羅図いいですね!→佐藤さんのスライド
(回答)ありがとうございます!作成していて一番楽しいスライドでした笑
- 浸麦工程と発芽工程におけるiot利活用に興味があります。検討中だということですが、アイデアベースでいいのでもし何か考えがあればお願いいたします
(回答)ご質問ありがとうございます。今回の発表全体に関する内容になりますが、実は今回の製麦プロジェクトを検討中(アイデア段階)に留めている理由として、やはり現実的に設備を導入するとなると、現場の生産者やブルワリーの需要調査から始める必要があり、さらに事業ベースで考える必要があるため収益モデルなどの目途が立ったうえで開発に着手したいという理由がありました。
そこで現場の課題や需要調査を行ったところ、喫緊の課題としては、そもそも良質な麦芽を供給する体制をつくるためには「良質な大麦」の供給体制を構築することが最優先という結論に至っています。したがって、「良質な大麦の生産体制」を構築した次の段階として、「スマート地域製麦」の実現に着手できればと考えています。現在はビール麦の生産管理の省力化を目的に、遠隔カメラを用いた生産モニタリングや追肥時期、収穫時期の推定…といったことにも取り組む方針で話を進めています。(背景として農地が県内各地かつ郊外に分散しており、現地に赴いた生産管理が難しいという課題があります。)
また、詳細は企業秘密の関係でお伝え出来ませんが、製麦拠点の導入に向けた話も進んでいます。現実的な話としてゼロから製麦施設をつくり、スマート化に取り組むのではなく、まずは既存の設備の一部分の省力・効率化に取り組めればと考えています。
- 岩手大学の佐藤さんへの質問です。クラフトビール部などを立ち上げていらっしゃるなど精力的に活動される中で、学生間の知識の継承や、人に依存しないマネジメントなどの組織のシステムマネジメントなどで工夫されているところなどありましたら、共有頂けますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
(回答)とても刺さる質問になります笑
率直なところ、学生団体という枠組みでは難しくなっている点が多々あり、近いうちに法人化することを予定しています。
学生間の知識の継承としては、マニュアル化によって対処している部分もありますが、基本的に高学年のメンバーと低学年のメンバーが組んで活動するようにしています。
また、幸いなことに岩手大学では地域活動の支援に向けたプログラムが多々存在するため、そうしたプログラムを活用したOff-JTであったり、岩手県や各省庁で主催する人材教育プログラムにも率先して参加する慣習を設けています。
結論としては、@マニュアル化できる部分は徹底してマニュアル化、A学内外の教育プログラムなど、徹底して外部リソースを活用、B高学年のメンバーと低学年のメンバーを組ませた暗黙知の共有、といったところが要点になるかと思います。
- ゲーム画面の工夫などで、うまくいったところや、逆にうまくいかなかった例などありましたらお聞きしたかったです(岐阜大学の大塚さんへの質問)
(回答)ご質問ありがとうございます。今回の改良で特に良かった点は,情報をカード化し,集めたカードを保有できるようにしたことです。この機能のおかげで様々な応用ができるようになったと感じています。今後の課題の一つとして,ゲーム内での報酬としての情報と,現地で得られる情報(看板などに書いてある説明など)との差別化が必要であると考えています。これを解決するためにも,世界かんがい施設遺産を搭載する際管理者から情報提供いただいたように,詳しい人からの情報提供を積極的に呼びかける必要があると考えています。
- [[T-10-3]]ゲーミフィケーションの観点などからも大変面白いプロジェクトだと感じました。ISAGA(International Simulation and Gaming Association)というその分野の国際学会などへの発表も叶うテーマだと思います。ご活躍を願っています。
(回答)お褒めの言葉ありがとうございます。ISAGAのHPを見てみましたが,確かに農村GOが目指していくところと方向性が一致していると感じました。今はまだ力不足ですが,今後環境教育などでの活用事例が充実してきたら,ISAGAにも挑戦してみたいです。
- 大塚さんへ:防災教育などへの応用が見出されたことに興味がわきました。農村だけではなく、漁村や漁港なども対象にしてみると面白いと感じました。引き続き、素敵なアプリ開発を頑張ってください!
(回答)ご興味を持っていただきありがとうございます。使ってみたい対象などありましたらお気軽にお声がけください。岐阜県には海がないため,オススメの漁港・漁村などありましたらこちらも是非お教えください。
参考:昨年度の進め方 昨年度の実践例(参加した感想を含む)
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